Press Release
2021.9.28

PCハイブリッド風力タワー工法『VT』を開発
會澤高圧が風力事業に参入
120m級のハイパー陸上風力に道 DNV GLの設計認証手続き開始

 會澤高圧コンクリート株式会社(本社苫小牧市、社長:會澤 祥弘)は、現行の陸上風力発電タワーの主流である高さ80m級の鋼製タワーをプレストレストコンクリート(PC)製タワーで120m級に嵩上げすることで、タワー1本当たりの発電効率を4倍強に高めるPCハイブリッド風力タワー工法「VT」を海外の大手風力発電機器メーカーとの技術協力で開発しました。

 

 既に4月から世界三大認証機関のひとつであるDNV GL(本部ノルウェー・オスロ)と設計認証に必要な構造解析を開始しており、早ければ2022年の春にも市場投入する予定です。VTはラテン語で「風の塔」を意味する「Ventus Turris」の頭文字から命名されました。

■VT開発の背景

 固定価格買取制度(FIT)の満了に伴い陸上風力の建て替えが広がるなか、風力発電のオペレーター様にとりましては発電原価が安く収益力の高いタワー建設工法の採用が急務となっています。これからの主力である5MW級では120m級のハイタワーが標準になるものの、輸送上の制約などから大口径の鋼製タワーは採用しづらいのが現状です。

 

 比較的小型のプレキャストコンクリート製パネルを工場で製造し、現地に輸送してから組み立てるパネル式タワー工法は建設場所の制約を受けることが少ないうえ、パネルをPC技術で一体化する構造のため、巨大地震や大型台風にも耐えるレジリエントなタワーを建設することができます。さらにタワーの嵩上げ効果とブレードの大型化によって、タワー一本当たりの発電量を現行モデルの4倍強、発電原価をおよそ1/2に削減することができるため、事業採算の面から陸上風車の設置可能エリアを大幅に拡大することにつながります。


■VTのテクノロジー

 VTの基本形状は、プレキャストコンクリート(PCa)支柱パネルを交互に積み上げた開口型の八角形とし、タワー重量を極限まで軽量化することに挑戦しました。PCa支柱パネルの組み立ては、支柱部に設置したPC鋼俸で仮組し、最終的にPCケーブルで必要なプレストレスを与え、タワー全体を一体化させる構造です。
 

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 コンクリート製タワーと鋼製タワーを接続するトラジションリングは、剛性が異なる部材の接続部位として最も重要で難易度が高い開発テーマとなりました。鋼製タワーと補強鋼管を、トラジションリングを介して長尺ボルトで連結することで、コンクリート製タワーと鋼製タワーの外径の違いによる偏心荷重に抵抗させます。

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 また支柱付きパネルの製造は、1型枠で全てのサイズのプレキャスト部材を生産できるよう可変式型枠を採用し、製造の平準化とコストの低減を図りました。

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■DNV GLとの構造検証

 私たちは海外の大手風力発電機器メーカーの協力を得ながらVTのマスモデルを完成させ、4月より風力分野の認証を数多く手掛けるDNV GLと構造解析を進めています。特に重要部材として位置づけされるトラジションリングは、剛性の異なるコンクリートと鋼材の応力解析として、FEMモデルでの詳細な検証が必須となります。
 

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■福島県に実証機

 私たちは8月、福島県浪江町とイノベーションの共創を目指す基本立地協定を締結し、同町の南産業団地に、研究・開発・生産の3機能を兼ね備えた次世代中核施設『福島RDMセンター』を建設することを正式決定しました。開業は2023年4月を予定。RDMの製造棟には30tの大型クレーンを配置し、VTのプレキャスト支柱付パネルの連続生産が可能となります。

 

 VTによる発電効率の高い再生可能エネルギーは、脱炭素時代の切り札となる「グリーン水素」や「グリーンアンモニア」を生産する電力として最も適しています。私たちは浪江町との政策連携のなかでVTの実証機建設のほか、風力と革新的な水素リアクターとの連携による水素製造コストの低減といったフィールドテストを計画しており、ハイパフォーマンスなシン・エネルギー事業に関心を寄せる多くの関係者とのコラボレーションを進めて行く考えです。

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